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ドローン運用マニュアルは「作る」より「根づかせる」|元国際線パイロットが教える、現場で使われるマニュアルの条件

10月11日
読了時間: 7分

監修:岩岡真吾(株式会社TRIPLE7 代表取締役/元JAL国際線パイロット)

最終更新日:2026年10月11日


「運用マニュアルはあるけれど、現場ではあまり開かれていない」

ドローンを業務で使う企業から、よくうかがうお悩みです。

マニュアルは、作って終わりではありません。毎日の運航の中で使われ、チームの判断がそろってはじめて、安全を支える仕組みになります。

この記事では、国際線パイロットとして約20年、ボーイング747・777で飛んできたTRIPLE7(トリプルセブン)代表・岩岡真吾の考え方をもとに、現場で使われる運用マニュアルの条件と、根づかせるための進め方をご紹介します。


この記事の要点

  • マニュアルは「作る」より「現場に根づかせる」ことが大切

  • 現場で使われるのは、短く・迷わず・チェックリストとセットで・中止基準が明確なマニュアル

  • 根づかせるのは、毎回の確認と打ち合わせ・振り返り、そして定期的な見直しと訓練

  • 777 DRONE SAFETYは、診断する・仕組みをつくる・人を育てるの3ステップで整えます




目次


1.なぜ、分厚いマニュアルは棚に眠ってしまうのか


運用マニュアルを作るときは、「もしも」に備えて、あれもこれも書き足したくなります。その結果、ページ数が増え、必要なことを探すのに時間がかかる冊子になってしまうことがあります。

現場で迷ったときに、すぐ開いて答えが見つからないマニュアルは、だんだん使われなくなります。

また、作った人と現場で飛ばす人が別々で、作ったあとに見直されないままのこともあります。現場のやり方が変わってもマニュアルが追いつかなければ、書いてあることと実際の運航が、少しずつ離れていきます。

大切なのは、厚さではなく、現場で使われているかどうかです。


送信機を持ち、スタジアムの屋根の下でドローンの機体を見上げるTRIPLE7のパイロット・増田彪吾
現場で迷わない手順が、パイロットの落ち着いた判断を支えます

2.現場で使われるマニュアルの4つの条件


TRIPLE7が運用マニュアルを整えるときに大切にしているのは、次の4つです。

  • 短い:現場で必要なことに絞り、すぐに開いて確かめられる

  • 迷わない:だれが読んでも、同じ判断になる言葉で書く

  • チェックリストとセット:飛行前・飛行後に確かめることを、チェックリストにして手元に置く

  • 中止基準が明確:どうなったら作業を止めるかを、前もって決めておく

とくに「中止基準」は、現場で迷いながら考えるものではありません。前もって決めて全員でそろえておくことで、落ち着いた判断につながります。


棚に眠るマニュアルは、分厚い・必要なことを探せない・作ったあと見直されない。現場に根づくマニュアルは、短い・迷わない・チェックリストとセット・止める基準がはっきりしている。
棚に眠るマニュアルと、現場に根づくマニュアル

3.パイロットの世界では、手順をどう根づかせているか


旅客機のパイロットは、決められた手順とチェックリストに沿って飛びます。ただ、手順を覚えているだけでは足りません。

毎回のフライトで手順が守られ、全員が同じ基準で動けるように、次のような習慣が組み込まれています。

  • 飛行前の点検と確認:チェックリストにもとづいて、機体・天気・まわりの状況などを確かめる

  • 飛行前のブリーフィング:確かめたことをもとに、その日の危険・役割・中止基準を、チーム全員でそろえる

  • 飛行後のデブリーフィング:うまくいったこと、改善点、ヒヤリとしたことを振り返る

  • 定期的な見直しと訓練:気づきを手順に戻し、くり返し身につける

マニュアルは「読むもの」ではなく、「毎回の仕事の中で使うもの」。TRIPLE7は、この考え方をドローンの仕事にも取り入れています。

TRIPLE7では、3か月に1回、現役エアラインパイロットが現場のドローンチームに講習を行っています。毎回の現場で使い、定期的に学び直すことで、手順がチームに根づいていきます。


点検・確認(チェックリスト・気象・周りの状況・許可や申請)→ ブリーフィング → 飛行・作業 → デブリーフィング → 見直し → 次の現場へ、のくり返し。3か月に1回、現役パイロットによる講習が支える。
マニュアルを根づかせるサイクル

ブリーフィングとデブリーフィングについては、こちらの記事でくわしくご紹介しています。


4.ドローン高圧洗浄の現場では


ドローン高圧洗浄は、地上のポンプからホースで水を送り、ドローンに付けたノズルから吹き付けて洗う作業です。操縦する人、まわりを見る人、地上で機材を扱う人が、ひとつのチームで動きます。

TRIPLE7の洗浄の現場でも、手順は「書いてある」だけでなく、毎回の作業の中で使っています。

作業の前には、チェックリストにもとづく点検、気象状況や周りの状況の確認、飛行に関わる許可・申請の確認を行い、そのうえでブリーフィングで危険を全員で共有します。たとえば、次のようなことです。

  • 作業の中止基準を、飛行前に決めて、関係者と共有する

  • 作業エリアの下の立ち入りを管理する

  • ノズルは抜け防止のロックピン付きの継手で固定し、飛行前に接続部まで点検する

作業のあとはデブリーフィングでチームで振り返り、気づきを次の現場の手順に生かしています。

洗浄の業者を選ぶときは、「マニュアルがあるか」だけでなく、「その手順が現場でどう使われているか」を説明してもらえるかも、ぜひ確かめてみてください。


飛行前に、チェックリストにもとづいて機体と高圧洗浄ノズルの接続部を点検するTRIPLE7のパイロット・増田彪吾
飛行前に、チェックリストにもとづいて機体と接続部を点検します

TRIPLE7の安全管理の考え方は、こちらの記事でもご紹介しています。




5.777 DRONE SAFETYで、運用マニュアルを整える


TRIPLE7は、元国際線パイロットがつくるドローンの安全運航体制「777 DRONE SAFETY(トリプルセブン・ドローンセーフティ)」で、企業の運用マニュアルづくりをお手伝いしています。

進め方は、3つのステップです。

  • STEP 1 診断する:今のマニュアル・手順・現場の運航を拝見し、使われていない所や、判断が分かれている所を確かめます

  • STEP 2 仕組みをつくる:現場で迷わず使えるマニュアルとチェックリストに整えます。中止基準も、前もって決めておきます

  • STEP 3 人を育てる:研修や、ブリーフィング・デブリーフィングの導入を通して、マニュアルを現場に根づかせます

運用を続けながら、定期的に見直します。マニュアルは一度作って終わりではなく、現場と一緒に育てていくものと考えています。


777 DRONE SAFETY(トリプルセブン・ドローンセーフティ)。元国際線パイロットがつくる、ドローンの安全運航体制。STEP 1 診断する、STEP 2 仕組みをつくる、STEP 3 人を育てる。運用しながら、定期的に見直す。
777 DRONE SAFETYの3つのステップ



よくある質問


ドローンの運用マニュアルを作ってくれる会社はありますか?

TRIPLE7では、今の運用をうかがったうえで、現場で迷わず使えるマニュアルとチェックリストに整えます。目指すのは、棚に眠る分厚い冊子ではなく、毎日の運航に根づく仕組みです。浸透するまで、研修や見直しもご一緒します。


すでに社内にマニュアルがある場合も、相談できますか?

はい。今あるマニュアルを拝見し、現場で使われていない所や、判断が分かれている所を確かめるところから始めます。今のマニュアルを生かして整えることもできます。


マニュアルを作っても、現場で使われないのはなぜですか?

内容が多すぎて必要なことをすぐに探せない、作ったあとに見直されていない、などが主な理由です。作業前の打ち合わせや作業後の振り返りで毎回使い、定期的に見直すことで、現場に根づいていきます。


ドローンの運用マニュアルのご相談


「運用マニュアルを作りたい」「今のマニュアルを見直したい」という企業・団体の方は、お気軽にご相談ください。

ご相談時には、次の情報を分かる範囲でお知らせください。

  • ドローンを使っている業務(点検・測量・巡回・撮影など)

  • 操縦者の人数

  • 今のマニュアルやチェックリストの有無

  • 気になっていること・課題

土日を除き、2営業日以内にご返信いたします。





株式会社TRIPLE7(トリプルセブン)

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